【徹底解説】入社祝い金って何?これを読めば全部わかる!

人手不足で売り手市場(=採用する側の企業よりも、求職者にとってメリットが多い状況)が続く中、「入社祝い金」を支給する企業が増えています。
「入社祝い金10万円支給!」といった求人広告を目にしたことがある方もいるのではないでしょうか?
この記事では、入社祝い金の基本から最新の法規制、企業側の視点までをわかりやすく解説します。
入社祝い金とは?
そもそも入社祝い金って何?
入社祝い金とは、企業が新たに採用した従業員に対して支給する金銭的な報酬です。一般的に、内定後や一定期間の勤務継続後に支払われることが多く、金額はアルバイトは数千円の場合が多いですが、中には100万円以上になる場合もあり、雇用形態や職種によって様々な報酬が支給されます。
金額はさまざまですが、給与とは別の臨時収入がもらえるのはうれしいですよね!
入社祝い金はいつもらえるの?
入社祝い金の支給のタイミングは企業や求人によってさまざまです。
一般的によくあるのは次のようなタイミングです。
- 内定承諾後すぐ
- 試用期間終了後
- 正社員登用時
- 勤務開始から一定期間経過後(3か月、6か月、1年など)
- 初回賞与支給時
- 分割支給
入社祝い金は「いくら貰えるのか」という金額ばかりに目が行きがちですが、「いつ支給されるか」も求人に応募する前には確認しておきましょう。
入社祝い金を支給するメリット
ここまで入社祝い金はそもそも何なのかを見てきました。
求職者にとっては入社祝い金のある求人は(他の待遇等の条件が同じであれば)とても魅力的です。
ここからは入社祝い金が求人を出す側にとっては、どんなメリットがあるのかを説明していきます。
企業が入社祝い金を支給するメリット
入社祝い金のある求人を出す企業には次のようなメリットが考えられます。
- より多くの求職者を集められる
求人に「入社祝い金あり」と明記することで、求職者の関心を引き、より多くの応募を集めることが可能です。人材獲得競争が激しい業界では特に有効な差別化ポイントになります。 - 求職者の入社意思を高められる
入社の最終的な意思決定を迷う求職者は多いです。また、入社には転居などの費用がかかるケースもあるため、入社祝い金が求職者の背中を押すこともあります。 - 採用コストが削減できる
人材紹介は理論年収の35%程の手数料がかかります。
例えば、年収400万円の人材を紹介で採用した場合、起業は小会社に対して400万円×35%=140万円を支払います。
また、有料の求人サイトや運用型の求人広告は人材紹介と比較すると安価なことが多いですが、費用がかかっても1人も採用できない場合もあります。当然ですが、入社祝い金は入社した場合にしか支給する必要がないため、入社祝い金があることで人材を集められれば、採用コストが削減できる可能性があります。 - 企業のブランドイメージが向上する
採用コストを働くひとに還元するという姿勢を示すことで「社員を大切にする企業」というプラスのブランドイメージを作ることができます。
人材紹介会社が入社祝い金を支給するメリット
人材紹介会社や転職エージェントのような職業紹介事業者は、紹介した企業に求職者が採用されると手数料(理論年収の35%程)を受け取るビジネスモデルです。そのため、企業からの手数料の一部を求職者への入社祝い金とすることで、より多くの求職者を集められ、入社が決まることで、より多くの売上を上げることができます(ただし、後述のように現在では職業紹介事業者が求職者に対して入社祝い金を支給することは禁止されています)。
求人サイトが入社祝い金を支給するメリット
求人サイトも職業紹介事業者と同じように、より多くの求職者を集めるために、その求人サイトに登録した求職者の入社が決まった際に、企業から受け取る掲載料や手数料の一部を求職者への入社祝い金に充てることがありました(こちらも、後述のように現在では禁止されています)。
入社祝い金を利用して多くの求職者を求人サイトに集めることが、求人広告を出す企業の増加=求人サイトの売上増加に繋がるためです。
入社祝い金の増加と法規制
入社祝い金のある求人の増加
入社祝い金はかつては自動車メーカーの期間従業員募集等の一部の業種でのみ支給されることがほとんどでしたが、2024年時点では5年前と比較して入社祝い金のある求人が5倍に増え、一部では100万円が支給されるケースも出ています(日経新聞 2024年8月17日)。
入社祝い金の支給が増えている背景には人手不足だけではなく、採用コストの増加もあると考えられます。
人材紹介や求人サイトに求人を掲載するコストは年々増えているため、「社外に費用を払うのであれば採用した社員に入社祝い金を支給して採用コストを下げつつ、人材を集めたい」と考える企業が出てきています。
今後人手不足や採用コストの増加が進むと、入社祝い金付きの求人はますます増えることが予想されます。
職業紹介事業者が支給する入社祝い金への法規制
入社祝い金のある求人が増える一方で、近年は入社祝い金に関する法規制が進んでいます。
2021年4月からは、人材紹介会社や転職エージェント等の職業紹介事業者が支給する入社祝い金を原則禁止になりました。
職業紹介事業者が、自ら紹介した就職者に対し転職したらお祝い金を提供するなどと持ちかけて転職を勧奨し、繰り返し手数料収入を得ようとする事例があります。このような行為は、労働市場における需給調整機能を歪め、労働者の雇用の安定を阻害する行為であり、行ってはいけません。
「就職お祝い金」などの名目で求職者に金銭等を提供して求職の申し込みの勧奨を行うことを禁止しました(厚生労働省)
また、同じ時期に職業紹介事業者に対して、自らの紹介で就職した無期雇用契約者に対して、就職した日から2年間は、転職を勧めることを禁じました。
職業紹介事業者は紹介者の就職や転職が多ければ多いほど、手数料が増え、売上が上がるビジネスモデルです。しかし、一方でそれは必ずしも求職者にとってマッチする就職に繋がるわけではありません。また、中には職業紹介事業者から求職者に対して「再度転職したら祝い金を支給する」といった退職を勧めるような提案がされることもありました。
そのため、厚生労働省は職業紹介事業者から求職者に対して入社祝い金を支給することや、短期での転職の勧めを禁止しました。
しかし、この時点では禁止事項に従わなかったとしても、罰則などは設けられていなかったため、禁止後も次のような違反事例の発生が続いていました。
○ 面接実施時に電子ギフトカード(数千円)を支給
○ 知人を紹介した人、紹介されて求職登録した人
それぞれに対して旅行券(数万円)や電子ギフトカード
(数千円)を支給
○ 資格取得費用又は研修講座受講費用(数万円程度)の
キャッシュバックを実施
○ 紹介により就職し一定期間後にアンケート回答した
場合に支給(数万円程度)
○ 求職登録し就職した者を対象とした無料宿泊券の支給
医療等3分野の集中指導監督の実施状況
そのため、2025年1月からは「転職勧奨の禁止」と「お祝い金等の提供の禁止」が許可条件に追加されました。

厚生労働省のリーフレットより
内容自体は2021年4月からの禁止事項と同じため、違いが分かりづらいかもしれませんが、大切なポイントは「許可条件に追加」という部分です。
職業紹介事業者は国の許可制の事業です。
2025年4月からは入社祝い金を支給したり、同じ求職者に対して2年以内に再度転職を勧めたりした場合は職業紹介を許可しないという具体的な罰則が追加されたことになります。
募集情報等提供事業者が支給する入社祝い金への法規制
求人サイト・求人情報誌等を運営して求職者に求人情報を提供したり、求職者の登録を促したりする事業者を「募集情報等提供事業者」と呼びます。
この募集情報等提供事業者も、2025年4月からは求職者に金銭やギフト券、ポイントカードのポイント等を提供することが原則禁止とされました。

求人サイトや求人情報誌のような募集情報等提供事業者は、多くの求職者が集まれば、それだけ求人が集まり、求人を掲載する企業からの売上も増えます。インセンティブを払ってでも、求職者が集まった方が募集情報等提供事業者にはメリットがあるということです。
しかし、それが行き過ぎると、職業紹介事業者と同じように労働者の定着阻害や求人を掲載する企業側の手数料負担が増すことが指摘されています。
それだけではなく、募集情報等提供事業者には求職者側からの報酬の重複請求等の問題による企業負担の増加も問題視されています。
ただし、以下は「金銭等の提供禁止には該当しない」とされています。
・利用者に対してサービスの質の向上を目的とするアンケートへの回答を求めた上で、抽選によって少数者に対して提供する500円程度の電子ギフト券等
・イベント来場者を確保するため、転職フェアへの来場およびブース訪問者に対して提供する500円程度の電子ギフト券等
※求人サイトへの登録の対価として提供されるものを除きます。
厚生労働省のリーフレットより
企業が支給する入社祝い金は違法!?
職業紹介事業者(人材紹介や転職エージェント)や募集情報等提供事業者(求人サイトや求人情報誌)が支給する入社祝い金は法律で禁止されましたが、企業が入社した人に直接入社祝い金は禁止されておらず、違法でもありません。
また、今後加速する人材不足に対応するためには、労働者の待遇改善はますます必要となってくるでしょう。
「入社祝い金というインセンティブによる求職者への求人のアピール」や「職業紹介事業者や募集情報等提供事業者に支払う費用を減らし、その分を働くひとに還元する社員を大切にする企業ブランディング」はますます重要性を増すと言えるでしょう。
入社祝い金ありの求人ならジョインボーナス
ジョインボーナスは「入社祝い金のある求人のみを掲載する求人サイト」です。
ジョインボーナスは募集情報等提供事業者の1つですが、入社祝い金はジョインボーナスから求職者に支給するのではなく、企業から支給される仕組みを取っています。

求人サイトに入社祝い金のある求人を掲載する場合、企業は入社祝い金+求人サイトへの掲載料や入社の成約手数料を支払う必要があります。
ジョインボーナスも利用料や成約手数料が必要ですが、他のサービスよりも圧倒的に安価で設定されているため、企業が今までよりも採用コストを抑えることができるというメリットがあります。

※2 中途採用した方に10万円の入社祝い金を支給するケースです。
※3 1ヶ月間中途採用の求人を掲載し、1名採用したケースです。
※4 年収500万円の社員を採用し、30%の手数料がかかったケースです。
入社祝い金のある求人を作成しても、求人サイトにそれを掲載するとさらに費用がかかり、自社の採用サイトに掲載してもなかなか求職者に見てもらえないという可能性があります。
しかし、入社祝い金のみを掲載する求人サイトであるジョインボーナスに求人を掲載することで、求人サイトよりも安価で利用でき、自社の採用サイトよりも求職者の注目を集められる可能性があります。
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